洋服徒然草2013年度版

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ドーメル社 スポーテックス

今から40年くらい前に英国ドーメル社が発売したスポーテックスで
お仕立てしたスーツです。
スコットランド産のツィードで、かなりゴツくて打ち込みが良い(密度が高い)生地です。
最近復刻版も発売されていますが、昔のものとはまるで感触が違います。

生地仕入れ

毎月東京、大阪の商社の営業員さんが来店されます。
持参されるたくさんの生地サンプルの中から
気に入ったものを仕入れます。


▼職場
英国ロンドンの職人さんはベストなど着用した粋なスタイルで洋服を縫っていますが
あれは職場が街路から見えるようになっているからです。
日本の職人さんは自宅で縫うので服装はかなりいい加減です。



▼宣伝ボード
ドーメル社(英)に頂いた宣伝用のスタンド・ボード。
以前は生地ブランド各社がこのようなボードを作ってテーラーに配っていましたが、
最近は滅多に見られなくなりました


▼テーラーロンドン
同じ名前の仕立屋は長野、大阪など全国に数店あり
いずれも創業50年以上の老舗です。
当時はロンドンのサビルローが紳士ファッションの頂点とされていたので
地域一番店を自認する店はその名を冠した店名を付けたがったのです。
最近20年ほどはイタリアファッションが世界を席巻していて
スタイリッシュな新店はイタリア風の店名をつけています。



▼ダンヒルの舶来ネーム
上着の左内側には生地メーカーの舶来マークを縫いつけます。
一番上がダンヒル社の最近のもので、下は過去のものです。
最近は舶来マークが小さく地味になる傾向にあります。


▼綿、麻生地
夏は綿、麻の肌触りが快く、毎日でも着たくなります。
ホーランドシェリー(英)の綿、麻サンプルから綿100%生地を仕入れました。

▼持ち出し付きズボン
ベルト部分に持ち出しを付けるのはややカジュアルなデザイン。
金属ファスナーを使ってラフな感じを演出しています。



▼裏付属

芯地やパットなど表からは見えない裏付属品も良い物を使う必要があります。
神戸の専門商社が持ってきてくれるアピシオーネ(伊)の裏付属サンプルです。


▼パナマ帽
夏帽子の代表であるパナマ帽は南米エクアドル産のパナマ草の葉で作られています。
黒いリボンの結び目がある方が左になります。




▼ハンガー便
福岡と静岡のお客様にできあがったお洋服をお送りしました。
昔は洋服箱に詰めて送っていたのですが、このごろは
佐川急便さんがハンガーに吊ったままの形で運送してくれます。

▼ジャズ的ジャケット
サキソフォンプレーヤーの赤田晃一さんのジャケットをお仕立てしました。
チェスボード・チェック(市松模様)が赤田さんのイメージを作ります。



▼手結びの蝶ネクタイ
実際に結ぶ蝶ネクタイは解くとこんな形をしています。



▼ナットボタン
ハワイの海岸でココナッツジュースを飲むヤシとは別種の
堅くて小さな実のなるヤシが南米にあります。
その実を削って作ったナット釦は19世紀に
安価なボタンとして普及しましたが、現在では安くありません。
久々に使ってみましたがなかなかいい感じ。

釦材料もいろいろあります


▼麻の三つ揃い
麻はシワになるのですが、麻独特のシワですのでむしろ好ましい。
涼しい夏服として管理人の三つ揃いを仕立てました。


▼管理人の蝶ネクタイ

管理人が締めている蝶ネクタイは普通のネクタイで作ったものです。
細い方の先から94Cmのところでチョキンと切ります。
切り口を三角に折って縫うと手結びの蝶タイの出来上がり。
太い方は縫い目をほどいてポケットチーフにします。

▲切るときちょっと勇気が必要 ▲結ぶのに結構練習しました

▼葛利毛織の社長さん

尾州(愛知県)織元の代表 葛利毛織(くずりけおり)の社長さんが来店くださいました。 
当社の洋服は英国生地が基本ですがメイド・イン・ジャパンの生地も
次第に増やしていきたいと思っています。

▼遠方からのお客様
当社のお客様の4割は県外の方で、
東は関東、西は九州からおいでになります。

決して大金持ちという訳ではないのですが(失礼!)
どの方もお若いにもかかわらずたいへんファッションに詳しく、
洋服についてしっかりした見識を持っていらっしゃいます。


▲モヘアの夏スーツ ▲19世紀ルック
          (埼玉県のお客様          (兵庫県のお客様


▼親父様の製図

1957年(昭和32年)に私の親父様が当時の洋服裁断日本一
とされた木村慶市賞を受賞しました。
写真は受賞作の製図を掲載した専門誌です。
アルスターコートですね。


▼カラークロス

襟の裏側にはカラークロスという生地を使います。
曲面にそぐい易いように織った襟裏専用の素材です。
通常は表地に合った色を使いますが、
このお洋服はご注文でエンジ色のカラークロスにしました。
襟穴も赤糸でかがりました。


▼裏地の付け方

▼総裏:冬向き ▼背抜き:春秋向き ▼半裏:夏向き
内側全体に裏を付けます 背中部分の裏を抜きます 脇腹部分の裏も抜きます。

▼KIBOU(希望)3.11

▲宣伝プレート ▲専用織りネーム

英国ドーメル社がKIBOU(希望)3.11という生地を特別発売しています。
この生地の売り上げで東日本の被災地に桜並木を作る計画だといいます。


▼ネーム入れ

ネームは専門の職人さんが手振りミシンという特殊なミシンを使って入れます。
オーダーと既製品ではネームを入れる位置が異なります。
既製品とオーダー洋服を見分ける方法へ

▼仮縫い

シングル三ツ釦上二つ掛け、ピークドラペル(剣襟)の仮縫いです。
すみません、お客様にしてみればこんなに糸が付いていては
何のことか分からないかと思います。

仮縫いは裁断が正しかったかどうかを
仕立て屋が確認する為に行っています。


▼上着の裁断

剣襟、シングル上着の胴体部分です。
左から前身、細腹(さいばら)、背で
右端のチャコ線が背中の中心線になります。


▼コンケーブ・ショルダー

前身の肩線が上方にせり上がった
コンケーブ・ショルダーという特殊な肩を作ります。


▼R台場の見返し


見返し(下襟部分)はこんな裁断になります。
チョークで四角を描いている部分にネームが入ります。

▼デザイン画

30年代を意識したラインをご要望の
お客様とデザインを検討します。

▼ハンドメイド仕立て

ハンドメイドの洋服は職人さんが何種類もの針と糸を使って
一人で1着の服を手作業で縫い上げます。
こんなシンプルな職場から
最新設備の大工場製とは比べ物にならない
伝統工芸のような1着が生まれます。


▼アイロン

洋服を1着仕上げる間に最もよく使う道具は
針ではなくアイロンかも知れません。
一ヶ所縫うごとにアイロンで縫い目を整えます。


▼くるみ釦を作る道具

この道具を使って布で芯をくるみます。
19世紀までは現在のような樹脂製釦がなかったので、
貝や水牛の角、ヤシの実などの天然素材で釦を作るか、
くるみ釦を使うしかありませんでした。
オーダー洋服には似合うので、
今でもそんな古典的釦をよく使っています。

各種釦の画像はこちら

▼トニック

服飾評論家の方が昨年末の朝日新聞紙上で1957年に英国ドーメル社が発売した服地
「トニック」のことをずいぶん褒めて書かれていました。
実際艶とハリのあるたいへん良い生地ですが、現在では発売されていません。
当社では「トニック」はあるでしょうか、とわざわざ遠方から問い合わせてこられる
マニアの方のためにたくさんコレクションしています。

ビンテージ生地の特集ページはこちら

▼ネイビーブルー

紺色でも黒に近い濃色の人気が続いていましたが
近年明るい目のネイビーブルーのご注文も頂くようになりました。
写真はガーベロ社(伊)のスーパー120素材で、スーツを仕立てれば
マシンメイドでお仕立て上り9万円
ハンドメイドならお仕立て上り 168,000円ほどになる生地です。
同じ素材を使ってもお仕立方で値段はまるで違います。

▼甲商サベリ

かつて甲州で織られていた高級裏地です。
絹や綿を使い、凝った柄を入れています。


管理人のファンシータキシード
午後の礼装であるタキシードは通常黒か濃紺無地で仕立てますが
それ以外の色や柄物で仕立てたものをファンシータキシードと呼びます。