洋服の値段はどこで決まるのでしょう?

当社で代表的なスーツの値段は
マシンメイドで  お仕立て上り 
 80,000円
ハンドメイドなら お仕立て上り 
180,000円

街の洋服屋さんでは同じように見えるスーツでも1万円の物も有れば
20万円以上の品物も飾られています。
いったいどこが違うのでしょうか?

洋服の値段は生地仕立て(縫製)のふたつの要素で決まります。

 3万円の洋服なら  生地価格1万円 プラス 仕立て代2万円   (既製品)
 
8万円の洋服なら  生地価格3万円 プラス 仕立て代5万円   (マシンメイド)
18万円の洋服なら  生地価格4万円 プラス 仕立て代14万円 (ハンドメイド)
と思ってください。
同じ4万円の
生地を使ってもハンドメイドすると18万円、
マシンメイドなら9万円でできます。

1,生地

スーツ1着を作るのに約3m(150センチ巾)の生地が必要です。
同じように見える無地の生地でも1着分のお値段は
3、000円~100万円以上と、大きな較差があります。

値段の違いは品質の違いです
良い品はまず天然繊維で作られています。
化学繊維はずいぶん進歩もし、優れた性質を持ってはいるのですが、
いまだ天然素材に総合力で勝てないのです。

天然繊維にはウールと呼ばれる羊毛など動物性繊維と
植物性繊維である綿や麻があります。

同じウール100%生地の中でも値段には大きな幅があります
同じ牛肉でも100グラム百円のオージービーフから
数千円の松坂牛までいろんな価格があるのと似ています。

羊の種類によって、牧場によって、1頭1頭の羊によって
又同じ1頭の羊でも羊毛を取る部位によって
羊毛自体の値段がまず違います。

刈り取った羊毛を糸にする技術によって
繊維価格が変わります。

その繊維を使って
生地を作る時、価格はさらに大きく変わってきます。
品質だけでなく、デザイン的要素が加わってくるからです。

動物性繊維は羊だけではありません。
アンゴラ山羊の毛であるモヘア。
カシミア山羊の毛であるカシミア。
アンゴラ兎の毛であるアンゴラなどなど
種類も豊富。値段もみな違います。

つまりは
見た目美しく,肌触りのよい生地が高いと思って戴いて結構です。
高価格だからシワになりにくい、なんてことはありません。
化繊の方がシワには強いのです。

仕立て(縫製)

同じ生地を使っても仕立て方法によって洋服価格は変わってきます。

4種類の仕立てに分類できます。


1、
既製品
  出来上がった形の洋服です。
  「青山」さん、「コナカ」さん、「アオキ」さんなど
  量販店で売っています。
  出来あがりをハンガーに吊るしているので「ツルシ」と言ったりします。
  ほとんどの品が中国製で、1万円の服もあります。

  
  ダンヒル(英)やゼニア(伊)などの高級既製服ブランドは
  30万円くらいします
  良い生地を使い丁寧な仕立てをすると高くなりますが
  デザイン的にそう大きな変化があるわけではありません。

2、
イージーオーダー
  まずお客様に生地を選んでいただき、好みのデザインをお聞きし、
  体の寸法をとります。

  注文に合わせた寸法,デザインで縫製工場がベルトコンベア式の
  工程で縫い上げます。
  縫製工場にもいろいろなランクがあり、又同じ工場でも何種類もの
  縫製ランクがあって、縫製料は1万円~8万円くらいの開きがあります。
  どの工場のどんなランクの仕立てを使うかは各洋服店の方針によります。

  お客さんの注文通りの服が出来上がるのが強み。
  注文してから納品まで約3週間かかります。 

 3、パターンオーダー

  基本的にはイージーオーダーと同じものなのですが、
  各メーカーが独自のパターン(型紙)を使うので、メーカーそれぞれの
  個性が強く打ち出されます。
  ブランドイメージを守るためにお客様の注文に応じないこともあります。
  たとえばアイビーのブランドではサイドベンツを断ったりもします。

4、
ハンドメイド・オーダー

 フルオーダーとかビスポークと呼んだりもします。
 最も本格的な注文仕立て。
 テーラー(洋服店)がお客様の寸法を取って、デザインをお聞きし、
 ひとりの職人がその一着の洋服を縫い上げます。
 洋服の仕立てと言うとミシンを連想されるかと思いますが、
 ハンドメイドの場合、多くの部分をひとりの職人の手作業で行います。
 途中で一度お客様に着てみていただき、ラインや寸法の確認を
 行います。これを仮縫いといいます。
 仕立て代14万円くらい。
 裏地やボタンといった目に見える部品だけでなく、
 中に入っている芯地、パット、ポケット生地などにも良い品が使われます。
 
同じ4万円の生地を使っても
イージーオーダーで仕立てると,  出来上がり9万円。
ハンドメイド・オーダーで仕立てると出来上がり18万円という違いがでてきます。

でもお客様にとって一番の問題は仕立て方による
値段の差だけの値打ちがどこにあるのか
ということ

安いから寸法が合わない、なんてことはありません。
寸法が合わないのはそれはもう洋服屋がヘタなだけのこと。
遠慮なく文句を言って直させましょう。
問題のひとつはどこまで体の線に洋服を合わせることができるか、です。
生地は平面ですが人間の体は立体です。
平面を立体になるように切り、アイロンで丸みをつけて縫い合わせ
一人一人形の違う人間の体にどう合わせてゆくか、
これが洋服屋の腕の見せ所。
といってただ合わせただけではカッコよくない。
安物(失礼)の服は生地を体に巻きつけただけ、みたいに見えます。
仕立ての良い服はお客様の体をまあるく包みます。
着て楽で見て美しい服が理想です。
加えて最新のデザインを味付けしたい。

もうひとつ言えば洋服はお客様の体を覆うだけではなく、
内面を表現するものです。
貴方の存在を社会に対してどうアピールするか、その一助を担うのが洋服屋です。
いやいや、エラソウナことを言っておりますが
要はお客様をよく見つめ
お一人お一人の体と社会的存在にぴったりあった洋服を作るだけ。

お値段はお客様に見合った額を頂戴いたします。